要件事実データベース

債権の消滅時効(客観的起算点)

ダイアグラム

要件権利を行使することができる状態になったこと
要件上記状態から10年間が経過したこと
要件援用権者が相手方に対し時効援用の意思表示をしたこと

参考文献:「新問題研究要件事実追補-民法(債権法関係)改正に伴う追補-」1頁

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関連条文: 民法第166条第1項

民法 第166条 (債権等の消滅時効)

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。 ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

ブロック:「債権の消滅時効(客観的起算点)」について

要件:「権利を行使することができる状態になったこと」について

時効の起算点
「供託物の還付または取戻の請求につ いて「権利ヲ行使スルコトヲ得ル」とは、単にその権利の行使につき法律上の障害 がないというだけではなく、さらに権利の性質上、その権利行使が現実に期待ので きるものであることをも必要と解するのが相当である。」「弁済供託における供託物の取戻 請求権の消滅時効の起算点は、供託の基礎となつた債務について紛争の解決などに よつてその不存在が確定するなど、供託者が免責の効果を受ける必要が消滅した時 と解するのが相当である。」(最大判昭和45年7月15日民集24巻7号771頁:裁判所裁判例検索

要件:「上記状態から10年間が経過したこと」について

要件:「援用権者が相手方に対し時効援用の意思表示をしたこと」について

時効の援用
「時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。」(民法第145条)