「諾成的消費貸借契約については、金銭の交付が消費貸借契約の成立のために必要な要件となっていないことから、消費貸借契約に基づく貸金返還請求権の発生要件としては、契約の終了に加えて、消費貸借契約に基づいて金銭を交付したことも必要となります。諾成的消費貸借契約は、当事者の合意及びその合意が書面又は電磁的記録によることで成立しますが、貸主が借主に対して消費貸借契約に基づき貸金の返還を請求するには、貸主が借主に対し消費貸借契約に基づいて金銭を交付したことが前提になると考えられるからです。」(司法研修所編「新問題研究要件事実」追補 -民法(債権関係)改正に伴う追補-5頁)