要件事実データベース

履行遅滞に基づく損害賠償請求(遅延損害金請求)

ダイアグラム

要件返還時期の経過(返還時期の合意がある場合)
又は催告期間の末日の経過(返還時期の合意がない場合)
要件遅延損害利率の合意
又は約定利率の合意(法定利率を超える約定利率を主張する場合)
要件一定期間(遅延利息発生期間)の末日の到来

参考文献:岡口基一「要件事実マニュアル総論民法2第5版」179頁

関連条文: 民法第419条第1項

民法 第419条 (金銭債務の特則)

金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。 ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。

2 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。

3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

要件:「返還時期の経過(返還時期の合意がある場合)」について

要件:「遅延損害利率の合意」について

商事法定利率の主張
改正前民法が適用される場合で商事法定利率年6分(旧商法第514条)を主張する場合、①貸主借主のいずれかが会社(会社法第5条、商法第4条第1項、同第503条第2項)若しくは商人(商法第503条)であることを主張するか、②当該貸金債権が商行為による債権であること(商法第501条、同第502条)を主張する。
遅延損害利率の合意がない場合
遅延損害利率の合意がない場合、①利息について約定利率があり、かつ、約定利率が法定利率を超えるときは約定利率による遅延損害金を請求できる(民法第419条第1項但書)。②約定利率がないとき、または、約定利率が法定利率を超えないときは法定利率による遅延損害金を請求できる(民法第419条第1項本文)。
「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。」(民法第419条第1項)

要件:「一定期間(遅延利息発生期間)の末日の到来」について