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本ブロックが抗弁となるブロック

第三者弁済の無効原因(債務者の意思に反する)

ダイアグラム

要件第三者が弁済をするについて正当な利益を有しないこと
要件第三者による弁済が債務者の意思に反すること

参考文献:岡口基一「要件事実マニュアル総論民法2第5版」672頁

本ブロックに対して抗弁となるブロック

関連条文: 民法第474条第2項

民法 第474条 (第三者の弁済)

債務の弁済は、第三者もすることができる。

2 弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。 ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。

3 前項に規定する第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。 ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない。

4 前三項の規定は、その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない。

ブロック:「第三者弁済の無効原因(債務者の意思に反する)」について

補足説明
第三者弁済(民法第474条第1項)の場合の抗弁となる。

要件:「第三者が弁済をするについて正当な利益を有しないこと」について

裁判例
「 民法第四七四条第二項にいう「利害ノ関係」を有する者とは、物上保証人、担保 不動産の第三取得者などのように弁済をすることに法律上の利害関係を有する第三 者をいうものと解するのが相当 」(最三小判昭和39年4月21日民集18巻4号565頁:裁判所裁判例検索
裁判例
「借地上の建物の賃借人はその敷地の地代の弁済について法律上の利害関係を有す ると解するのが相当である。けだし、建物賃借人と土地賃貸人との間には直接の契 約関係はないが、土地賃借権が消滅するときは、建物賃借人は土地賃貸人に対して、 賃借建物から退去して土地を明け渡すべき義務を負う法律関係にあり、建物賃借人は、敷地の地代を弁済し、敷地の賃借権が消滅することを防止することに法律上の利益を有するものと解されるからである。」(最二小判昭和63年7月1日集民154号245頁:裁判所裁判例検索

要件:「第三者による弁済が債務者の意思に反すること」について