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本ブロックが抗弁となるブロック

対抗要件具備による所有権喪失(不動産)

ダイアグラム

要件自己が当該不動産について所有権を取得したこと
要件自己が当該不動産について所有権移転登記を備えたこと

参考文献:司法研修所編「新問題研究要件事実」80頁、岡口基一「要件事実マニュアル1第5版」333頁

本ブロックに対して抗弁となるブロック

関連条文: 民法第177条

民法 第177条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)

不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

ブロック:「対抗要件具備による所有権喪失(不動産)」について

解説
「もとの所有者からX,Yの二人がそれぞれ譲渡を受けたという二重譲渡のじあんでは、所有権移転登記を具備した譲受人が確定的に所有権を取得することができます。……Yが、抗弁として、Yも同様に甲土地を所有者Aから買受け、この売買契約に基づき甲土地につき所有権移転登記を備えたことを主張した場合には、これが認められれば、Yが所有者Aから確定的に甲土地の所有権を取得したことになり、Xが所有者であったことはなかったことになります。この間の関係について、Yが確定的に所有権を取得することにより、Xが所有者であるように見えていた地位を失ったと見ることもできるので、このような抗弁を「対抗要件具備による所有権喪失の抗弁」と呼ぶことがあります。」(司法研修所編「新問題研究要件事実」81頁)
対抗要件の抗弁との関係
対抗要件の抗弁は、相手方の所有権取得に関する主張であり、自己が民法177条の「第三者」にあたるため、相手方が自己に対して当該不動産の所有権を主張できないとする主張である。
一方で、本抗弁は、自己の所有権取得に関する主張であり、自己が、民法177条の「第三者」にあたる相手方に対し、自己の所有権取得を積極的に主張するものである。
(参考文献:岡口基一「要件事実マニュアル1第5版」334頁)

要件:「自己が当該不動産について所有権を取得したこと」について

要件:「自己が当該不動産について所有権移転登記を備えたこと」について